会場:高田屋顕彰館・歴史文化資料館「菜の花ホール」
〒656-1301 兵庫県洲本市五色町都志1087
TEL:0799-33-0354
FAX:0799-33-1605
会期:平成18年2月10日(金)〜5月10日(水)
開館時間:午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:不定休
入館料:大人500円(400円)、大学・高校生300円(200円)、中学・小学生200円(100円)
※()内は団体料金(15名様以上)
主催:五色町、五色町教育委員会、財団法人五色町ふるさと振興公社
企画協力:株式会社オフィス・トゥー・ワン
資料提供:産経新聞社、スポーツニッポン新聞社、ビクターエンタテインメント株式会社、山田真哉写真事務所、兵庫県立洲本高等学校同窓会、五色町のご同輩の方々

<阿久悠>

昭和十二年(一九三七年)兵庫県淡路島生まれ。
広告代理店勤務を経て、昭和四十年、作家として本格的な文筆活動に入る。
作詞家としてこれまで手掛けた曲は五千曲以上。
時代とブームを担い、日本の音楽界を常にリードしてきた昭和の語り部でもある。
今回、作詞家生活四十年を記念して、ふるさと五色町で特別展を開催します。

<特別展に寄せて>

言葉という種子
阿久悠

 言葉を失いたくないと、ずっと思っていました。子どもの時から、そして、半世紀をとうに過ぎた今になってもなお、言葉こそが心そのものであり、文化そのものであると信じています。言葉は声にして発せられたものだけではなく、字にしたものも、しぐさや表情で伝えるものすべて、伝えたい意志のあるものは言葉です。
 生活の中で、人生を通して、言葉を磨き、大切に発する意欲を持ちつづければ、人は輝き、美しくなります。人が輝き美しくなれば日本という国が絶えることはありません。
 未来を見つめる人たちへ。そんな願いと祈りを発する小さな種子を、この五色町の地に一粒蒔きました。

<阿久悠さんの仕事>

 株式会社宣弘社にて、番組企画、CF制作等を手掛ける。その後、フリーとなり、作詞を中心に、小説、エッセイなどの執筆活動に入る。作詞家として、「日本レコード大賞」、「日本歌謡大賞」、「日本作詩大賞」、「古賀政男記念音楽大賞」などの賞を多数受賞。
 尾崎紀世彦「また逢う日まで」、都はるみ「北の宿から」、沢田研二「勝手にしやがれ」、ピンクレディー「UFO」など、これまでに手掛けた曲は五〇〇〇曲以上に及ぶ。また、企画、審査員として携わったテレビ番組「スター誕生」からは、森昌子、桜田淳子、山口百恵を始め、岩崎宏美、小泉今日子、中森明菜など、数多くのトップスターが生まれた。

 著作では、映画化された「瀬戸内少年野球団」(直木賞候補作)、「殺人狂時代 ユリエ」(第二回横溝正史賞受賞)などが代表的。「家族の神話」、「家族元年」といった日本の家族を題材とした作品も多い。大人の恋愛小説「絹婚式」、「あこがれ」、空想野球小説「球心蔵」など。
 一九九七年の作詞家生活三十周年を迎え、十四枚組CD全集「移りゆく時代、唇に詩(阿久悠大全集)」を発表。
 同年、三十年間にわたる作詞活動に対して、第四十五回菊池寛賞を受賞。さらに一九九九年、紫綬褒章を受章。
 同年、スポニチ文化芸術大賞グランプリ受賞。二〇〇〇年、小説集「詩小説」にて第七回島清(しませ)恋愛文学賞を受賞。

 二十一世紀に入ってからも、精力的に活動。六十才のヒロインを描いた大人の恋愛小説「もどりの春」を上梓。
 短編小説集「恋文」、長編小説「ラヂオ」はそれぞれラジオドラマ化され、特に「ラヂオ」は第三十八回ギャラクシー賞ラジオ部門優秀賞を受賞する。
 近年も「転がる石」、「ただ時の過ぎゆかぬように〜僕のニュース詩」、「昭和おもちゃ箱」、「なぜか売れなかったが愛しい歌」、「日記力」、「生きっぱなしの記」、「歌謡曲の時代〜歌もよう人もよう」、「犬猫太平記」と多数の著作を精力的に発表している。
 二〇〇五年、作詞活動四十年の集大成としてCD五枚組ボックス「人間万葉歌〜阿久悠作詞集」(全一〇八曲収録)を発表。